天衣無縫 〜院長のひとりごと

一人の力

掲載日 : 2014年10月29日

先週仕事での外出先で夕食を食べる機会がありました。チェーン店のようですが、とにかくお店の中のムードが固くて変なのです。厨房に二人とホールに三人の方が働いていました。一様に皆表情が固く、オープンキッチンがより中の雰囲気を見せてしまい、お客さんともコミュニケーションが取れていない有り様で、ホールスタッフはどの注文にも何度も注文を聞き直していました。
私もせっかく入ったのだから、店員さんとの次の接触で何とかその方のムードを変え、お店のエネルギーを楽しくしてみようと思っていた時、大学生と思われる一人のバイトの青年が裏口から厨房に入って来ました。
「お疲れさまでーす!」とその青年が入って来ると、調理していた一番年長の責任者らしき男性の顔の表情が緩みニコニコし出して、横で調理していた若い男性の肩は柔らかく下に下がって、ホールの三人の声は大きくなり、動きも機敏になりました。あたかも違うセッティングのストーリーの映画の場面に入ったように全員が変わり、お店の空間のエネルギーがイキイキと変わってしまいました。
本当に凄い能力の青年でした。本人は氣付いているかどうか分かりませんが、彼はいつも楽しく、爽快な時間を過ごしているにちがいありません。
私も心の中で「やるじゃん!」と思い、彼に感謝して美味しい夕食をいただきました。